高温障害米(溶けにくい米)対策のご提案

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今年の夏も暑い日が続いたため、この酒造期も米の溶解性に苦しむシーズンになりそうです。
弊社は昨年、米の溶解性を高めるための工夫としてフェルメイドK とセルラーゼ剤の併用を提案しましたが、その結果は地域によって効果が大きく異なり、評価も様々に分かれることになりました。

東北地方など数県ではよい効果がみられ好評だったものの、高温障害の度合いが特に深刻だった新潟県ではほとんど効果がみられないと評価されました。「米の産地が変わったとたんに効果が出なくなった」という感想もいただいております。
おそらく高温障害の深刻度と、元々の米の性状(溶けやすさ)、各資材の効き方のメカニズムなどが関係していると考えられます。


そこで、R6BYの提案です。



醸造用エマルジー

蒸米の粘着性を低下させるグリセリン脂肪酸エステル(高純度蒸留モノグリセライド)

醸造用エマルジー外観

蒸米のさばけをよくするために使用する植物性油脂(グリセリン脂肪酸エステル)です。
これを使って蒸米のさばけをよくすると、浸漬で米が水を吸いすぎることで起きるトラブルを回避しやすくなります。
(浸漬米1トンあたり500g~2kg)

あらかじめ70℃程度のお湯で醸造用エマルジーをよく溶かし、水を加えて冷却した分散液を作っておきます。浸漬終了直前にその分散液を浸漬タンクに投入し、すぐにゆっくり排水します。その後はいつもどおり蒸きょうしてください。エマルジーの親水基が米の表面に結合し、疎水基が外側を向くことで、米同士の粘着を妨げる効果があります。


フェルメイドK

アミノ酸の低減効果 ……酵母によるアミノ酸の取り込みを大いに促進

酵母の健全な発酵に寄与するビタミンやミネラルをバランスよく含んだ酵母発酵助成剤で、元々はワイン醸造に使われているものです。酵母が活発に活動してアミノ酸の菌体内取り込みが促進されるため、もろみ中のアミノ酸値が低く抑えられます。さらに、もろみ終盤まで順調な発酵がつづき、スッキリした酒に仕上がります。
◆ 総米1トンあたり 200g~400g 程度の添加(留仕込み時)


セルラーゼ剤

米の細胞間物質セルロースを分解することで、醪中のアミラーゼが米デンプンに接触しやすくなります。硬質米や古米など、溶けにくい米の溶解性を高めることが期待されます。

元々、硬質米や網下米で低価格の日本酒を造る際などに使用されている酵素剤です。

【使用方法】 醪に直接添加します(総米1トンあたり100g~200gを留仕込みで)。

(注)高精白米ではセルロースが少ないので効果は期待できません。 R5BYの実績では、重度の高温障害米(新潟県産米など)には効果があがりませんでしたが、東北地方数県では、よい効果が認められました。高温障害の深刻度や元々の米の性状(溶けやすさ)が影響していると考えられます。


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