高温障害米(溶けにくい米)対策のご提案

異常な高温と渇水に見舞われた夏のせいで、R5BYの酒造りは高温障害米との戦いになりそうです。特に新潟県内では米が溶けず、粕歩合が高く味のりしない酒に困っているとの悲鳴が上がっています。

米は植物ですから、ひとつひとつの細胞はセルロースでできた細胞壁という柔軟性のある壁に囲まれています。光合成によって得られたデンプンはこの細胞壁の中に存在しています。ところが、高温障害の影響などによって細胞壁を構成するセルロースどうしが複雑に結合しあって、普通よりも分厚い壁になってしまうことがあります。そうなるとガチガチに固まった分厚い壁に阻まれて、細胞内部まで水が浸透できなくなってしまいます。つまり、デンプン粒にアミラーゼを含む水が到達できないのです。これが溶けない米の正体です。αアミラーゼをいくら強化しても、なかなか米が溶けないのはこのためです。吸水時間の調整などでは解決できない状態になっている場合、このセルロースを分解してしまうのが有効な手段です。……ただ、溶けすぎによるアミノ酸の増加という悩ましい問題があるんです。

そこで、大胆な提案です。


セルラーゼで無理やり米を溶かす
     ↓
出すぎるアミノ酸を「フェルメイドK」の効果で打ち消す。


米の溶解性に「絶大の効果」 ……でも、アミノ酸が増えてしまう

元々は、硬質米を徹底的に溶かして酒化率を高める目的(経済酒)で使用されます。
米が溶ける分、アミノ酸が増えるため、味の多い酒になるデメリットがあります。
そのため、下で紹介する「フェルメイドK」との併用をお勧めします

◆ 総米1トンあたり 50g~200g 程度の添加(留仕込み時)



アミノ酸の低減効果 ……酵母によるアミノ酸の取り込みを大いに促進

酵母の健全な発酵に寄与するビタミンやミネラルをバランスよく含んだ酵母発酵助成剤で、元々はワイン醸造に使われているものです。酵母が活発に活動してアミノ酸の菌体内取り込みが促進されるため、もろみ中のアミノ酸値が低く抑えられます。さらに、もろみ終盤まで順調な発酵がつづき、スッキリした酒に仕上がります。
セルラーゼによる白米の溶解促進効果は劇的なものがあります。米の状態によっては溶けすぎによるアミノ酸増加が発生しやすいので、高温障害米対策にはフェルメイドKを併用することをお勧めします。

◆ 総米1トンあたり 300g~600g 程度の添加(留仕込み時)


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